年下研修医の極甘蜜愛
「ありがとう」
「いいえ」
「エレベーターも押してもらっていい?」
「はい。えっと、何階ですか?」
「八階」
エレベーターで八階にあがった二人は、足音とビニール袋が擦れる音がこだまする廊下を無言で歩く。仁寿の部屋は南の角部屋だった。ここでも仁寿に代わって彩が鍵を開ける。
「先生、どうぞ」
自分の家ではないのに、どうぞって変。しかし、他に言いようがない。
仁寿が先に靴を脱いで、鍵をかけてと彩に言った。彩は、施錠して脱いだパンプス玄関の端にそろえる。
二度目だけど、まるで初めて来た場所のような感じがした。記憶はしっかりあるのに、景色とか時間とか、そういったものが曖昧でよく思い出せない。