年下研修医の極甘蜜愛
彩の目の前で、仁寿が手際よくライムを切って手で搾る。ごつごつとした指の間から染み出した果汁がグラスに滴って、柑橘の爽やかな香りが漂ってくる。搾り終わると、果汁の上に丸氷が落とされた。
スコッチ・ウイスキーを入れてマドラーでかき混ぜる。そして、炭酸水をグラスの淵に這うようにそっとそそいで、最後に一回だけ縦にマドラーを動かす。素人がハイボールを作ると、大抵は順序が滅茶苦茶で炭酸水のそそぎ方が雑になるのだが、仁寿の手順は完璧だった。
「ハイボールの作り方をよくご存知ですね」
「まぁね。はい、どうぞ」
「ありがとうございます」
「向こうのソファーでゆっくり飲んで。僕はお風呂に入ってくるから」
彩は、言葉に甘えてソファーの端に腰かけた。だだっ広いリビングで一人、ぎんぎんに冷えたハイボールを堪能する。ウイスキーの芳醇な香りが、スパーンと爽快に鼻腔を突き抜けた。冷たさも炭酸のはじけ方も、お店で飲むものと遜色ない。いや、それよりもはるかにおいしい。
「うーん、最高!」
思わず歓喜の声が出てしまう。
仁寿は、二十分くらいでリビングに戻って来た。普段の服装とは違う、ラフな部屋着姿に心臓がどくんと脈打つ。
――違う。
いつもより鼓動が早いのは、ウイスキーのアルコール濃度が高いせいだ。彩は、グラスに半分残ったハイボールをぐいっと喉に流し込んだ。