年下研修医の極甘蜜愛

何気ない日常こそ幸せ


 ピピッピピッピピッ……。

 新しい一日の始まりを告げる電子音が、高らかに鳴り響く。彩は、手探りで枕元の目覚まし時計をつかんで、アラームを止めようと時計の頭を叩いた。顔にかかった髪を払いのけ、背伸びをしながらごろんと寝返りを打つ。投げるように伸ばした腕になにかが当たってうっすらと目を開けると、視線の先に仁寿の平和な寝顔があった。


「……あ」


 意識が、雷に撃たれたかのように一気に目覚める。腕に当たったのは仁寿の頭部。彩は伸ばした腕を引っ込めて、飛び起きざまに布団をはぐった。服を着ている仁寿と裸の自分を交互に見た途端に、寝起きの頭がフル稼働し始める。


 ――わたしの服と下着たちはどこ?!


 ベッドの上にそれらしきものは見当たらない。


 ――もしかして、床に落ちてるのかな。


 床に散乱した服や下着の滑稽で憐れな姿を想像すると、恥ずかしくていたたまれない気持ちになる。とにかく、朝からあられもない姿を披露する勇気はない。

 彩はベッドを揺らさないように四つん這いで仁寿の体をまたぐと、意を決して床におりた。その姿は、アメリカのSFアクション映画のプロローグで青白い電光と共に突然現れる、あの有名な筋肉隆々全裸男さながらだ。服を求めて辺りを見回す。しかし、やはり見当たらない。

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