年下研修医の極甘蜜愛
――あぁ、生き返る。
普段は会議や打ち合わせに事務作業、時には医師と別の病院へ行ったり、タイトなスケジュールで埋まっている午後が休みだと気分が一気に開放的になる。二カ月に一度あるかないかの午後半休は、彩にとって貴重なリフレッシュの時間だ。
テーブルに置いていたスマートフォンが、振動してメッセージの受信を知らせる。メッセージアプリをタップすると、待ち合わせの相手からだった。
『今、駅の駐車場に着いた』
彩は、アイスコーヒーのグラスを置いて、末尾に汗をかきながら走る人の絵文字がついたメッセージにスタンプで返事をする。選んだスタンプは、由香や親しい女友達にしか使わない、パステルカラーのモコモコしたかわいいクマ。胸に抱えた大きなハートマークに大きく「OK」と書かれている。送信すると、すぐに既読がついた。
指先でメッセージの履歴をさかのぼる。
仁寿の院外研修が始まってからの主な連絡手段は、このメッセージアプリだ。以前なら業務的な味気ない内容ばかりだったのに、日常の何気ない話だったり今日みたいに会う約束だったり、スクロールする画面にはプライベートなメッセージが並んでいる。
『じゃあ十二月五日、午後一時に駅前のコーヒー店で』
仁寿からのメッセージの所でスクロールを止める。彩の顔が、ふわりと自然な笑顔になった。