年下研修医の極甘蜜愛
――うじうじしてばかりで、なんか嫌だな。
彩は、腕時計を見てハンドバッグからコンパクトを取り出すと、がらにもなく髪を整えて小鼻や口元をチェックする。それから、コンパクトをバッグにしまって、窓の外を眺めながら残りのアイスコーヒーを飲んだ。
「おまたせ」
聞き覚えのある懐かしい声に、彩の目が声の主に向く。すぐそばに、黒いステンカラーコートを着た仁寿が立っていた。仁寿の顔を見た彩の目が、驚いたように大きくなる。甘いルックスにすらりとした長身。コートの着こなしが様になっていて、はっきりいってかっこいい。しかし、彩が意表をつかれたのは、黒いナイロールのメガネだった。
――先生、メガネなんてかけてたっけ?
「久しぶりだね」
脱いだコートをイスの背もたれに掛けて、仁寿が向かいの席に座る。
「彩さん、元気だった?」
仁寿が何事もないように尋ねるので、彩はメガネを気にしつつもそれには触れずに答える。