年下研修医の極甘蜜愛
――わたしの出番はなさそう。
彩は、邪魔にならないようにキッチンを出て、カウンター越しに仁寿の手際を眺めた。
「先生、ちゃんと寝ました?」
「うん。眠られない当直のあとでも、昼寝は三十分くらいで十分かな」
「そう、なんですね」
「彩さんは?」
仁寿が、ぐつぐつと煮だった鍋に菜箸でパスタを沈めながら尋ねる。
「わたし?」
「CTとか検査したんでしょ? どうだったの? ずっと気になってはいたけど、メッセージアプリで聞くような内容じゃないから聞けなかった」
「ああ……」
どう答えよう。楽しい話ではないから適当に言葉を濁そうかと迷って視線を流しから上に向けると、こちらを見ている仁寿のメガネが湯気で真っ白に曇っていたから、彩は素直に話すことにした。
――なんだか気が抜けちゃう。
彩の表情が、穏やかなほほえみに変わる。