「こぶた」に婚活は難しい〜あなたの事なんて、狙ってませんから。〜
商店街の3人目(2)
めっちゃ好みの人に出会ってしまった…。
もちろん、彼には『隣りに座った女』てだけなんだろうけどせっかく理想の人に会えたんだから、この時間を大事にしよう!
「皆様。全員お揃いですかぁ?今回は偶数の人数ですので、お隣にどなたかと座っていれば大丈夫です。」
佐々木さんがマイクを使って明るくしゃべり出した。
「ーーはい!大丈夫そうですね。では出発致します。次に向かうのは『亀田ハッピー商店街』と言う所になります。」
周りから『レトロぉ』とか『マジか』とか笑い声が聞こえる。
言いたい事は分かる。
令和にこのネーミングセンスはちょっとヤバいよね。
しかし!この商店街は闇市の時からあるという、歴史的にも古く、さらに、名店揃いなのだ。
最近は大型店舗に押されて活気はイマイチらしいけど、今回の企画は町おこしの一環としているらしい。
婚活ツアーでこの企画を見つけた時は、テンションが上がった!前から行きたいと思ってたんだよねー。
「おや。林さん。何だか目が輝いてきましたね。」
「あ。わかっちゃいました?実は前から行きたいと思ってたんですよ。」
倫子はもう、顔が緩みっぱなしだ。
「あまり知られてないんですけど!老舗揃いなんですよ。まして、今回は食べ歩きなんてうれしくて。」
「ははは。林さんは婚活目的じゃなくて、食べ歩きが目的でしたか。」
大林さんにそう言われて倫子は慌てて訂正した。
「もちろん、婚活が一番です!ちょうど行きたいところと合致しただけで…。」
倫子はしどろもどろになった。せっかく理想の人と会えたのに勘違いされるのはちょっとイヤ。ただの食いしん坊な女と思われたくないのが乙女心よね。
「目的が一緒で良かった。」
そう言って大林さんはにっこり笑った。
え。今、良かったって言った?
倫子が頭をぐるぐる回転させているうちに。
「今回は林さんと回れたら楽しそうですね。良かったら一緒に回りませんか?」
大林さんはどうかなと言うように首を傾けた。
ぱああ、と倫子の表情は晴れやかになった。嬉しい!
「もちろんです!」
やったー!初めて男の人に誘われた!まして、こんな素敵な人に!
「そんな無防備な顔を見せて。憎めない人だなあ。林さんは。」
舞い上がっていた倫子には大林さんのつぶやきは聞こえなかった。
もちろん、彼には『隣りに座った女』てだけなんだろうけどせっかく理想の人に会えたんだから、この時間を大事にしよう!
「皆様。全員お揃いですかぁ?今回は偶数の人数ですので、お隣にどなたかと座っていれば大丈夫です。」
佐々木さんがマイクを使って明るくしゃべり出した。
「ーーはい!大丈夫そうですね。では出発致します。次に向かうのは『亀田ハッピー商店街』と言う所になります。」
周りから『レトロぉ』とか『マジか』とか笑い声が聞こえる。
言いたい事は分かる。
令和にこのネーミングセンスはちょっとヤバいよね。
しかし!この商店街は闇市の時からあるという、歴史的にも古く、さらに、名店揃いなのだ。
最近は大型店舗に押されて活気はイマイチらしいけど、今回の企画は町おこしの一環としているらしい。
婚活ツアーでこの企画を見つけた時は、テンションが上がった!前から行きたいと思ってたんだよねー。
「おや。林さん。何だか目が輝いてきましたね。」
「あ。わかっちゃいました?実は前から行きたいと思ってたんですよ。」
倫子はもう、顔が緩みっぱなしだ。
「あまり知られてないんですけど!老舗揃いなんですよ。まして、今回は食べ歩きなんてうれしくて。」
「ははは。林さんは婚活目的じゃなくて、食べ歩きが目的でしたか。」
大林さんにそう言われて倫子は慌てて訂正した。
「もちろん、婚活が一番です!ちょうど行きたいところと合致しただけで…。」
倫子はしどろもどろになった。せっかく理想の人と会えたのに勘違いされるのはちょっとイヤ。ただの食いしん坊な女と思われたくないのが乙女心よね。
「目的が一緒で良かった。」
そう言って大林さんはにっこり笑った。
え。今、良かったって言った?
倫子が頭をぐるぐる回転させているうちに。
「今回は林さんと回れたら楽しそうですね。良かったら一緒に回りませんか?」
大林さんはどうかなと言うように首を傾けた。
ぱああ、と倫子の表情は晴れやかになった。嬉しい!
「もちろんです!」
やったー!初めて男の人に誘われた!まして、こんな素敵な人に!
「そんな無防備な顔を見せて。憎めない人だなあ。林さんは。」
舞い上がっていた倫子には大林さんのつぶやきは聞こえなかった。