「こぶた」に婚活は難しい〜あなたの事なんて、狙ってませんから。〜

それぞれのエピソード〜2人目〜

二階堂一歩はずっとイライラしていた。
最初から何もかも、全てが上手くいかない。
リュックのショルダーベルトを握りしめ、公園を足早に突き進む。

倫子さん。素敵な女性だったのに、高坂凌太の奴が邪魔しやがって!

何度も彼女の近くに行こうとしたのに、いつもアイツが出てきて足止めされた!倫子さんも僕を気に入ってくれてたのに、何だよ、最後はカップル宣言って!!
あんなの、絶対うそに決まってる。
倫子さんがあんな軽い男を選ぶ訳ない。きっと脅されたんだ!

二階堂はベンチに座るとリュックからパソコンを取り出した。凄い速さで入力をしていく。倫子の会話から、食堂名と会社を割り出し、食堂の求人募集から倫子のシフトを予想した。

「ふふふ。倫子さん。待っててくださいね。また、会いに行きますから。」

二階堂はカタカタとパソコンを打ちながらしばらくブツブツと何かを計画していた。
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