天敵外科医さま、いいから黙って偽装婚約しましょうか~愛さないと言った俺様ドクターの激愛が爆発して~【愛され最強ヒロインシリーズ】
「宗司さん」
「お願い」
また“お願い”だ! ずるいずるい、ずるすぎる!
自分がなんで頷いているのかわからない。
宗司さんはとってもうれしそうに頬を緩めた。
「ありがとう、志季子。愛してる、一生大切にする」
そう言って彼は私にキスを落としてきた。ほとんど無造作に、とても自然にそうするのが当たり前みたいな顔で。
「ん……っ」
触れるだけのキス。
触れては離れ、また重ねられる唇。
ふわりと心がほどけた気がした。きゅうんと胸が高鳴るのは、一体どうして……!
柔らかなそれが、何度繰り返されただろう。
その間、彼の指は私の頭を撫でたり、耳をくすぐったりと忙しそうだった。
くすぐったいはずなのに、蕩けるように、あるいは熱を孕むように気持ちいい。
呼吸のタイミングがわからず、離れている間になんとか呼吸を繰り返す。
宗司さんはそんな私を見て「はは」と楽しげに笑う。
「はっ、初めてだからっ」
「ん……俺にくれてありがとう」
言われて気が付く。どうして私、彼にキスを許して……⁉ 許可なんて、そう、許可なんてするつもりなかったのに!
「そ、宗司さん。あのっ」
そう開いた口に再び唇が重ねられ、そのまま舌を潜り込まされる。
「んうっ、っ」
目を見開き、反射的に彼の浴衣を掴む。
宗司さんは構わずに私の口の中を蹂躙し続ける──歯列をなぞり、舌を絡め付け根をつつき、口蓋を舐め上げる。
口の中で、宗司さんの舌が動き続ける。
生々しい彼の体温を伝えるかのようにゆっくりと彼は舌を動かす。
「う、……っ」
ようやく唇を離され、はあっと息を吐く。宗司さんは私の頭の横に手を置き、欲が滾る瞳で見下ろしてきている。
食べられ、ちゃう、……の、かな。
とぎれとぎれになる理性でそう思った。それでもいいと思ってしまった。