甘く香るあなたと、唯一無二の。
* * *
プレゼン当日。
会議室には、役員たちが並んでいた。深呼吸をして、資料を見つめる。大丈夫。私なら出来る。隣りに立つ一ノ瀬課長の香りが、すぐ隣から漂ってくる。不思議と、落ち着く。
「それでは、新フレグランスラインのプレゼンテーションを始めます」
一ノ瀬課長が、堂々とプレゼンを進める。市場調査のデータ、ターゲット層の分析、商品コンセプト。すべてが、完璧だった。
「そして、この香りのプロジェクトリーダーが、こちらの辻です」
一ノ瀬課長に促され、私が前に出る。役員たちの視線が、私に集まる。かつての私なら、きっと萎縮していた。でも今は違う。この香りに、私は誇りを持っている。
「今回のフレグランスラインは、『香る自分らしさ』をコンセプトに開発しました」
試作品を、役員たちに配る。
「トップノートは柑橘系で爽やかに。ミドルノートはフローラルで女性らしさを。そしてラストノートは、ほのかなムスクで深みを出しています」
役員たちが、香りを確かめる。すぐに、興味の香りが漂ってきた。好感触。掴んだ!
「この香りの特徴は、つける人の体温や体質によって、微妙に香りが変化することです。つまり――」私は、お腹に力を込めてはっきりと言った。
「同じ香水をつけても、一人一人違う香りになる。それが、『あなたらしさ』を表現するということです」
会議室に、静寂が流れた。そして……役員の一人が納得の顔で、拍手をした。
「いいんじゃないかな?」
一度肯定的な意見が出ると他の役員たちも、次々と賛同の声を上げる。
「商品化、決定だ。一ノ瀬課長、辻君、よくやってくれた」
その瞬間、胸が熱くなった。やった。成功した。私、やり切れたんだ
プレゼンが終わり、会議室を出ると、一ノ瀬課長が私の肩を叩いた。
「お前、すごかったぞ」
「一ノ瀬課長こそ……」
「いや、今日の主役はお前だ。お前の力で、このプロジェクトは成功した」
一ノ瀬課長の眩しい笑顔を受けて、私もやっと肩の力が抜ける。
「辻、この後屋上行かないか?」その一言で心がとくんと高鳴った。
プレゼン当日。
会議室には、役員たちが並んでいた。深呼吸をして、資料を見つめる。大丈夫。私なら出来る。隣りに立つ一ノ瀬課長の香りが、すぐ隣から漂ってくる。不思議と、落ち着く。
「それでは、新フレグランスラインのプレゼンテーションを始めます」
一ノ瀬課長が、堂々とプレゼンを進める。市場調査のデータ、ターゲット層の分析、商品コンセプト。すべてが、完璧だった。
「そして、この香りのプロジェクトリーダーが、こちらの辻です」
一ノ瀬課長に促され、私が前に出る。役員たちの視線が、私に集まる。かつての私なら、きっと萎縮していた。でも今は違う。この香りに、私は誇りを持っている。
「今回のフレグランスラインは、『香る自分らしさ』をコンセプトに開発しました」
試作品を、役員たちに配る。
「トップノートは柑橘系で爽やかに。ミドルノートはフローラルで女性らしさを。そしてラストノートは、ほのかなムスクで深みを出しています」
役員たちが、香りを確かめる。すぐに、興味の香りが漂ってきた。好感触。掴んだ!
「この香りの特徴は、つける人の体温や体質によって、微妙に香りが変化することです。つまり――」私は、お腹に力を込めてはっきりと言った。
「同じ香水をつけても、一人一人違う香りになる。それが、『あなたらしさ』を表現するということです」
会議室に、静寂が流れた。そして……役員の一人が納得の顔で、拍手をした。
「いいんじゃないかな?」
一度肯定的な意見が出ると他の役員たちも、次々と賛同の声を上げる。
「商品化、決定だ。一ノ瀬課長、辻君、よくやってくれた」
その瞬間、胸が熱くなった。やった。成功した。私、やり切れたんだ
プレゼンが終わり、会議室を出ると、一ノ瀬課長が私の肩を叩いた。
「お前、すごかったぞ」
「一ノ瀬課長こそ……」
「いや、今日の主役はお前だ。お前の力で、このプロジェクトは成功した」
一ノ瀬課長の眩しい笑顔を受けて、私もやっと肩の力が抜ける。
「辻、この後屋上行かないか?」その一言で心がとくんと高鳴った。