ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
言いながら、沓澤代理はようやく正気を取り戻したらしい。
まだ不機嫌そうではあるものの、周囲の空気もわずかに和らぐ。なんだかほっとしてしまう。
「こうなったものは仕方がないな」
諦め顔でそう呟いてからの沓澤代理の行動は早かった。
課長に許可を取り、午後から自由行動を取らせてもらうことに決まり、あれよあれよという間に私たちは……そう、私も一緒にフロアを出る羽目になった。
「では行きましょうか。荷物はロッカールームですか?」
「は、はい。ってあの、私は……」
「なら早く取ってきてください、今日はもう会社には戻りません。先に外で待ってます」
どういうことだ。
さも当然のように、一緒に行動する流れになっている。
急かすように腕時計をタップしてみせる沓澤代理は、まだ苛々して見えた。そそくさと頭を下げてロッカールームへ急ぎ、バッグを手にエントランスを出ると、眼前に沓澤代理の車が停まっていた。
黒のセダンだ。車には詳しくなく名前までは分からなかったけれど、大変に格好良い上に沓澤代理に似合っていることは分かった。
「早く乗れ」
「は、はい」
慌てて助手席に乗り込む。
まだ不機嫌そうではあるものの、周囲の空気もわずかに和らぐ。なんだかほっとしてしまう。
「こうなったものは仕方がないな」
諦め顔でそう呟いてからの沓澤代理の行動は早かった。
課長に許可を取り、午後から自由行動を取らせてもらうことに決まり、あれよあれよという間に私たちは……そう、私も一緒にフロアを出る羽目になった。
「では行きましょうか。荷物はロッカールームですか?」
「は、はい。ってあの、私は……」
「なら早く取ってきてください、今日はもう会社には戻りません。先に外で待ってます」
どういうことだ。
さも当然のように、一緒に行動する流れになっている。
急かすように腕時計をタップしてみせる沓澤代理は、まだ苛々して見えた。そそくさと頭を下げてロッカールームへ急ぎ、バッグを手にエントランスを出ると、眼前に沓澤代理の車が停まっていた。
黒のセダンだ。車には詳しくなく名前までは分からなかったけれど、大変に格好良い上に沓澤代理に似合っていることは分かった。
「早く乗れ」
「は、はい」
慌てて助手席に乗り込む。