ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
向かった先はブティックだった。
何度も歩いたことのある繁華街の一角にひっそりと佇む、上品な雰囲気の店だ。なのに見覚えがなく、妙に新鮮な気分になる。
店舗裏の駐車スペースに車を停めた沓澤代理の後ろを、そわそわと落ち着きなく歩いてエントランスに向かう。
店内に入ると、店主と思しき女性――いかにもマダムといった風貌だ――が、沓澤代理をひと目見て艶やかに微笑んだ。顔見知りらしく、彼女はにこやかに私たちの傍へ歩みを寄せてくる。
「いらっしゃいませ、沓澤様。今日はいかがなさいましたか?」
「どうも。ちょっと急用が入って……さっき電話しといた件です。これ、よろしくお願いします」
とんと肩に手を置かれ、今彼が口にした〝これ〟が私を指していると一拍置いてから気づいた。
いつ電話したのか。私がロッカールームに荷物を取りに行っていた間かもしれない。相変わらず抜け目がない。
「あの、『これ』って……」
「文句はあとで聞く。とびきり綺麗にしてもらえ」
何度も歩いたことのある繁華街の一角にひっそりと佇む、上品な雰囲気の店だ。なのに見覚えがなく、妙に新鮮な気分になる。
店舗裏の駐車スペースに車を停めた沓澤代理の後ろを、そわそわと落ち着きなく歩いてエントランスに向かう。
店内に入ると、店主と思しき女性――いかにもマダムといった風貌だ――が、沓澤代理をひと目見て艶やかに微笑んだ。顔見知りらしく、彼女はにこやかに私たちの傍へ歩みを寄せてくる。
「いらっしゃいませ、沓澤様。今日はいかがなさいましたか?」
「どうも。ちょっと急用が入って……さっき電話しといた件です。これ、よろしくお願いします」
とんと肩に手を置かれ、今彼が口にした〝これ〟が私を指していると一拍置いてから気づいた。
いつ電話したのか。私がロッカールームに荷物を取りに行っていた間かもしれない。相変わらず抜け目がない。
「あの、『これ』って……」
「文句はあとで聞く。とびきり綺麗にしてもらえ」