ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「は、はい。那須野ゆずと申します。はじめまして」
「ああ、どうぞ楽になさって。突然声をかけてしまってごめんなさいね」
言葉こそ遠慮がちだけれど、声はかなり挑戦的な気配を宿している。
背筋をひやりと冷たいものが流れ落ちた気がして、私は喉を鳴らす。なにを言われるのか、ある程度想像はつく。でも。
「彼、最近雰囲気が変わって見えたから、あなたの影響なのかなって思って。少しお話ししてみたくなったの」
「……そうですか。あの、申し訳ありませんが、私は」
迷う。
違うと、はっきり言いきってしまっていいのか。
『その辺の対応もいずれしてもらう』
沓澤代理の声が蘇る。判断が鈍る。
この女性は社外の人で、それなのに噂の詳細を知っている様子で、しかも沓澤代理の元恋人だという。
迂闊に喋るべきではないのでは。いや、むしろ今こそ、自分に課せられた役を演じなければならないのでは。
「ああ、どうぞ楽になさって。突然声をかけてしまってごめんなさいね」
言葉こそ遠慮がちだけれど、声はかなり挑戦的な気配を宿している。
背筋をひやりと冷たいものが流れ落ちた気がして、私は喉を鳴らす。なにを言われるのか、ある程度想像はつく。でも。
「彼、最近雰囲気が変わって見えたから、あなたの影響なのかなって思って。少しお話ししてみたくなったの」
「……そうですか。あの、申し訳ありませんが、私は」
迷う。
違うと、はっきり言いきってしまっていいのか。
『その辺の対応もいずれしてもらう』
沓澤代理の声が蘇る。判断が鈍る。
この女性は社外の人で、それなのに噂の詳細を知っている様子で、しかも沓澤代理の元恋人だという。
迂闊に喋るべきではないのでは。いや、むしろ今こそ、自分に課せられた役を演じなければならないのでは。