ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
迷えば迷うほど空白の時間が生まれる。
焦燥と混乱が綯い交ぜになった頭を無視して、強引に口を動かそうとした瞬間、呆れ顔で腕を組んだ菅野さんが先に口を開いた。
「あのね、ゆずさん。奏はやめておいたほうがいいわよ」
「……は?」
「奏、おたくの会社、継がないかもしれないの。本人からは聞いてない? 奏の立場が目当てなら、やめといたほうがいいってこと」
言葉を紡ぎきれなかった私の唇が、想定外の話題を前に派手に強張る。
「あなたみたいな人、奏は元々苦手なはずなのに……どうしちゃったのかしら」
はぁ、と仰々しく溜息をついてみせた彼女を呆然と見つめる。
私を挑発したがっているとしか思えない発言には悪意が見え隠れしていて、はっきり言って感じが悪い。けれど、今はそんなことよりも。
『継がないかもしれないの』
『奏の立場が目当てなら、やめといたほうがいいってこと』
なに、それ。
駄目だ。考える前に、邪魔な思考が膨らんでしまう前に、口を動かさないと。
早く。
「あの、お言葉ですが、私は」
焦燥と混乱が綯い交ぜになった頭を無視して、強引に口を動かそうとした瞬間、呆れ顔で腕を組んだ菅野さんが先に口を開いた。
「あのね、ゆずさん。奏はやめておいたほうがいいわよ」
「……は?」
「奏、おたくの会社、継がないかもしれないの。本人からは聞いてない? 奏の立場が目当てなら、やめといたほうがいいってこと」
言葉を紡ぎきれなかった私の唇が、想定外の話題を前に派手に強張る。
「あなたみたいな人、奏は元々苦手なはずなのに……どうしちゃったのかしら」
はぁ、と仰々しく溜息をついてみせた彼女を呆然と見つめる。
私を挑発したがっているとしか思えない発言には悪意が見え隠れしていて、はっきり言って感じが悪い。けれど、今はそんなことよりも。
『継がないかもしれないの』
『奏の立場が目当てなら、やめといたほうがいいってこと』
なに、それ。
駄目だ。考える前に、邪魔な思考が膨らんでしまう前に、口を動かさないと。
早く。
「あの、お言葉ですが、私は」