ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「別れた男に言い寄られてあれだけ参ったツラ晒してたくせに、なにが『慣れてます』だ。笑わせんな」
「っ、ほっといてください!」
押しつけられた身体、握られた手首、耳元で囁かれる嘲りの声。
胸の奥がぎしぎしと軋む。悲しい、寂しい、苦しい、負の感情が綯い交ぜになって溢れ、心が引き裂かれそうなほど痛む。
強引に手を振り払うと、身体ごと拘束するように彼の腕が動いた。長い指が首筋をなぞり、その緩い感触に私は思わず唇を噛む。おかしな声が零れそうだったからだ。
噛み締めた唇を指でひと撫でされた後、なぞられていた首筋に顔を埋められる。動けなくなったきりの身体は、どうしてか縋るように彼にもたれかかってしまう。
瞬間、首に鈍い痛みが走った。
噛みつかれでもしたのかと息が詰まる。じくじくと後を引く痛みが続くそこと同じ場所を、顔を離した彼が指でなぞる。色っぽい仕種だ。
「あ……」
痕が残ったに違いなかった。
どうして、なんてことを、混乱に沈んだ私の頭ではそれ以上なにも考えられない。艶っぽい視線が至近距離から私のそれを絡め取って、すぐにも目を逸らしたいのに逸らせない。
「っ、ほっといてください!」
押しつけられた身体、握られた手首、耳元で囁かれる嘲りの声。
胸の奥がぎしぎしと軋む。悲しい、寂しい、苦しい、負の感情が綯い交ぜになって溢れ、心が引き裂かれそうなほど痛む。
強引に手を振り払うと、身体ごと拘束するように彼の腕が動いた。長い指が首筋をなぞり、その緩い感触に私は思わず唇を噛む。おかしな声が零れそうだったからだ。
噛み締めた唇を指でひと撫でされた後、なぞられていた首筋に顔を埋められる。動けなくなったきりの身体は、どうしてか縋るように彼にもたれかかってしまう。
瞬間、首に鈍い痛みが走った。
噛みつかれでもしたのかと息が詰まる。じくじくと後を引く痛みが続くそこと同じ場所を、顔を離した彼が指でなぞる。色っぽい仕種だ。
「あ……」
痕が残ったに違いなかった。
どうして、なんてことを、混乱に沈んだ私の頭ではそれ以上なにも考えられない。艶っぽい視線が至近距離から私のそれを絡め取って、すぐにも目を逸らしたいのに逸らせない。