ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
それから、出張を機に三浦さんから懐かれたという話にもなった。
社内で男性社員に懐かれたことがこれまでにほとんどなかった沓澤課長は、「ちょっと困惑だよな」と零しながらも、満更でもなさそうだ。思わず笑ってしまう。
えくぼが見える笑い方を見かけたのは、今日が初めてだ。
等身大の、ありのままの――ついさっきも思ったことが信憑性を増していく。普段は、ただ単に気を張っているだけなのかもしれない。
なら、今はどうか。私の前では自然にしていられるのだろうか。だとしたら嬉しい……そう思うことも、勘違いになるのかもしれない。
雄平と別れた理由の話にもなった。
話しているうち、うっかりそんな話題になってしまった。
「すっぴんが可愛くないって、皆の前で言われて……そこから一気に気持ちが冷えてしまって、それで別れたんです」
「なんだそれ。思った以上に最低だな、あいつ」
「うーん……どちらかというと、言われた内容そのものよりも、人前で面白おかしく茶化されたことが嫌でした。元々、なにを言われてもあんまり動じなかったので、私が傷つかないと思ったのかもしれません」
社内で男性社員に懐かれたことがこれまでにほとんどなかった沓澤課長は、「ちょっと困惑だよな」と零しながらも、満更でもなさそうだ。思わず笑ってしまう。
えくぼが見える笑い方を見かけたのは、今日が初めてだ。
等身大の、ありのままの――ついさっきも思ったことが信憑性を増していく。普段は、ただ単に気を張っているだけなのかもしれない。
なら、今はどうか。私の前では自然にしていられるのだろうか。だとしたら嬉しい……そう思うことも、勘違いになるのかもしれない。
雄平と別れた理由の話にもなった。
話しているうち、うっかりそんな話題になってしまった。
「すっぴんが可愛くないって、皆の前で言われて……そこから一気に気持ちが冷えてしまって、それで別れたんです」
「なんだそれ。思った以上に最低だな、あいつ」
「うーん……どちらかというと、言われた内容そのものよりも、人前で面白おかしく茶化されたことが嫌でした。元々、なにを言われてもあんまり動じなかったので、私が傷つかないと思ったのかもしれません」