ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「あなたは私が持ってないものをたくさん持ってて、自由に見えた。だからあの日、すごく苛々した。気分を害するようなことを言ってしまって、ごめんなさい」
「……いいえ」
「奏は、私があなたたちの邪魔をしたがってるって思ってるみたいだけど、そんなことしないから。一応、これでも結婚を控えてる身だしね」
菅野さんの声が、打って変わって明るくなる。
無理をしてその声を作っているのではと思ってしまった私は、その艶やかな口元から目を離せなくなる。
菅野さんは、その結婚相手が、好きですか。
純粋な興味だけでそれを尋ねるのは抵抗があった。先刻の視線を思い返せば、きっとそうではないと容易に想像がつく。そうと分かっていながら尋ねるのはあまりに残酷に思えて、私にはできそうになかった。
菅野さんは私たちの邪魔をしないという。
だけど、邪魔もなにも、そもそも私たちは。
「あの、菅野さん。本当に、私たちは付き合ってなんて……」
思わず目を押さえた。
最近、これ、多い気がする。目の奥がちくちく痛んで、息が詰まって、なにもかもが嫌になってくる。
「……いいえ」
「奏は、私があなたたちの邪魔をしたがってるって思ってるみたいだけど、そんなことしないから。一応、これでも結婚を控えてる身だしね」
菅野さんの声が、打って変わって明るくなる。
無理をしてその声を作っているのではと思ってしまった私は、その艶やかな口元から目を離せなくなる。
菅野さんは、その結婚相手が、好きですか。
純粋な興味だけでそれを尋ねるのは抵抗があった。先刻の視線を思い返せば、きっとそうではないと容易に想像がつく。そうと分かっていながら尋ねるのはあまりに残酷に思えて、私にはできそうになかった。
菅野さんは私たちの邪魔をしないという。
だけど、邪魔もなにも、そもそも私たちは。
「あの、菅野さん。本当に、私たちは付き合ってなんて……」
思わず目を押さえた。
最近、これ、多い気がする。目の奥がちくちく痛んで、息が詰まって、なにもかもが嫌になってくる。