ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
そんな私の内心に気づいているのかいないのか――いや、多分気づいていないだろうけれど、沓澤代理は滔々と抑揚のない声で続ける。
「あんたなら、俺が隣に立ってても変な気は起こさなそうって思ってた。同じ部署ってのも都合がいい」
「つ、都合?」
「うん、都合。まぁ彼氏いるっぽかったから自重してたけど、別れてすぐ他の男とってこともなさそうだったし、あんたに決めた」
言葉の最後に被せるように薄い笑みが砕け、満面の笑みを向けられる。
その変貌ぶりに見惚れ、私は間抜けにも再びぽかんと口を開けてしまう。
……いや、見惚れている場合ではない。
どう考えても丸め込まれそうになっている。気をしっかり持たなければ。
「ち、ちょっと待ってください。それって私になにかメリットあります?」
なんとか反論をひねり出す。
すると、沓澤代理は浮かべていた笑みを瞬時に引っ込めた。それだけでは飽き足らず、露骨な舌打ちまでしてきた。
やはり丸め込もうとしていたらしい。
危なかった。あっさり罠にかかるところだった。
「あんたなら、俺が隣に立ってても変な気は起こさなそうって思ってた。同じ部署ってのも都合がいい」
「つ、都合?」
「うん、都合。まぁ彼氏いるっぽかったから自重してたけど、別れてすぐ他の男とってこともなさそうだったし、あんたに決めた」
言葉の最後に被せるように薄い笑みが砕け、満面の笑みを向けられる。
その変貌ぶりに見惚れ、私は間抜けにも再びぽかんと口を開けてしまう。
……いや、見惚れている場合ではない。
どう考えても丸め込まれそうになっている。気をしっかり持たなければ。
「ち、ちょっと待ってください。それって私になにかメリットあります?」
なんとか反論をひねり出す。
すると、沓澤代理は浮かべていた笑みを瞬時に引っ込めた。それだけでは飽き足らず、露骨な舌打ちまでしてきた。
やはり丸め込もうとしていたらしい。
危なかった。あっさり罠にかかるところだった。