ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
肩まで伸びた髪を掬われ、喉がこくりと動く。
くすりと笑って吐息を落とす沓澤課長に、日中働いているときには一切感じ取れない艶を見出した。今この場にいるのは自分たちふたりだけ、それを改めて思い知らされる。
「この辺だったっけ」
節くれ立った長い指が、緩く首筋をなぞる。
擽ったさに身をよじった途端、同じ場所に唇を寄せられた。
この辺。過去に二度、キスマークをつけられた場所。
甘えた声が出てしまわないよう、唇を噛み締めてその感触に耐える。ほどなくしてつきりと鈍い痛みが走り、唇はすぐに首から離れた。
噛んでいた唇がほのかな安堵とともにほどけ、しかしまるでそのタイミングを狙っていたかのように、同じ場所を指でなぞられる。不意打ちに等しいその感触のせいで、私は思わず上擦った声を漏らしてしまう。
にやりと口角を上げた彼は、見せつけるように眼鏡を外した。
その指先に目が釘づけになる。あの指が私の首を辿った……そう思うだけで、再び妙な声を零しそうになる。
「俺の指、好き?」
「な、なに言って……っ」
「いっつも見てるよな。あとあんた、眼鏡も好きだろ。外さないほうがいいか?」
「ご、ご自由にどうぞ!」
くすりと笑って吐息を落とす沓澤課長に、日中働いているときには一切感じ取れない艶を見出した。今この場にいるのは自分たちふたりだけ、それを改めて思い知らされる。
「この辺だったっけ」
節くれ立った長い指が、緩く首筋をなぞる。
擽ったさに身をよじった途端、同じ場所に唇を寄せられた。
この辺。過去に二度、キスマークをつけられた場所。
甘えた声が出てしまわないよう、唇を噛み締めてその感触に耐える。ほどなくしてつきりと鈍い痛みが走り、唇はすぐに首から離れた。
噛んでいた唇がほのかな安堵とともにほどけ、しかしまるでそのタイミングを狙っていたかのように、同じ場所を指でなぞられる。不意打ちに等しいその感触のせいで、私は思わず上擦った声を漏らしてしまう。
にやりと口角を上げた彼は、見せつけるように眼鏡を外した。
その指先に目が釘づけになる。あの指が私の首を辿った……そう思うだけで、再び妙な声を零しそうになる。
「俺の指、好き?」
「な、なに言って……っ」
「いっつも見てるよな。あとあんた、眼鏡も好きだろ。外さないほうがいいか?」
「ご、ご自由にどうぞ!」