ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
指とか眼鏡とか、普通にバレてる。
目が見えなくては仕事にならないのでは。
お願いだから、耳の近くで喋らないで。
ぐちゃぐちゃに混ざり合う思考のどれもが、口をついて出ることはなかった。
ぱくぱくと口を動かす私は、さぞおかしな顔を晒しているに違いなかった。けれど自分ではどうにもできない。
顔が熱い。早く離れてほしい。
もう私を惑わさないで。今にも転げ落ちてしまいそうなのに。
「可愛い。なにその顔」
「く、沓澤課長が、変なこと言うから……っ」
「そんな顔してると、もっと変なことしちゃうかも」
耳に吐息を吹き込みながら囁く声に、私はまたも息を呑む。
器用にチェアを滑らせて背中から私を抱きかかえた沓澤課長が次になにをしようとしているのか、想像がつかない。
息を詰めていると、耳元でもう一度「可愛い」と囁かれた。そのまま身を固くしているしかできない私の、耳に唇が、太腿には指がかかる。
瞬間、私の中のなにかがプツンと途切れた。
目が見えなくては仕事にならないのでは。
お願いだから、耳の近くで喋らないで。
ぐちゃぐちゃに混ざり合う思考のどれもが、口をついて出ることはなかった。
ぱくぱくと口を動かす私は、さぞおかしな顔を晒しているに違いなかった。けれど自分ではどうにもできない。
顔が熱い。早く離れてほしい。
もう私を惑わさないで。今にも転げ落ちてしまいそうなのに。
「可愛い。なにその顔」
「く、沓澤課長が、変なこと言うから……っ」
「そんな顔してると、もっと変なことしちゃうかも」
耳に吐息を吹き込みながら囁く声に、私はまたも息を呑む。
器用にチェアを滑らせて背中から私を抱きかかえた沓澤課長が次になにをしようとしているのか、想像がつかない。
息を詰めていると、耳元でもう一度「可愛い」と囁かれた。そのまま身を固くしているしかできない私の、耳に唇が、太腿には指がかかる。
瞬間、私の中のなにかがプツンと途切れた。