ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
若干の緊張を抱えつつ、フロアへ足を踏み入れる。
沓澤課長はすでに自席へ着いていて、その隣には三浦さんの姿もあった。
「おはようございます」
「おはようございまーす。那須野さん、昨日はあれから大丈夫だった?」
「はい。ご心配をおかけしてしまってすみませんでした」
ぺこりと頭を下げると、三浦さんはほっとした顔を覗かせた。
それとは対照的に、隣の沓澤課長の表情は厳しい。眉間に寄った皺がはっきりと見え、私は思わず息を呑んだ。
「那須野さん。ちょっといいですか」
「っ、は、はい」
「話があります。プライベートな件ですので就業時間前に」
頬が引きつった自覚はあった。三浦さんも、露骨に硬直している。
口調こそ丁寧だけれど、視線と表情は不機嫌そうだ。同行を求められているのがプライベートな理由によるものだとわざわざ人前で言いきってまで、この人が私に伝えたいことはなんだ。強い困惑に染まった私の頭では、それ以上うまく考えられない。
目を見開いたきりの三浦さんに呆然と見送られ、ほとんど引きずられる形で沓澤課長についていく。
沓澤課長はすでに自席へ着いていて、その隣には三浦さんの姿もあった。
「おはようございます」
「おはようございまーす。那須野さん、昨日はあれから大丈夫だった?」
「はい。ご心配をおかけしてしまってすみませんでした」
ぺこりと頭を下げると、三浦さんはほっとした顔を覗かせた。
それとは対照的に、隣の沓澤課長の表情は厳しい。眉間に寄った皺がはっきりと見え、私は思わず息を呑んだ。
「那須野さん。ちょっといいですか」
「っ、は、はい」
「話があります。プライベートな件ですので就業時間前に」
頬が引きつった自覚はあった。三浦さんも、露骨に硬直している。
口調こそ丁寧だけれど、視線と表情は不機嫌そうだ。同行を求められているのがプライベートな理由によるものだとわざわざ人前で言いきってまで、この人が私に伝えたいことはなんだ。強い困惑に染まった私の頭では、それ以上うまく考えられない。
目を見開いたきりの三浦さんに呆然と見送られ、ほとんど引きずられる形で沓澤課長についていく。