ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「あの、私、昔から〝相手に察してほしい〟って思っちゃう癖があるんです。自分からはなにも伝えてないのに、なんで分かってくれないのって、でも」
「ふーん。まぁそれもなんとなく分かるけど、それって多分、那須野さん以上に沓澤さんがそうだよ」

 似た者同士かよ、と困った顔で笑う三浦さんの言葉に既視感を覚える。
 電話越しに聞いた果歩の声と、今の三浦さんの声がぴたりと重なり、あまりの居心地の悪さに息が詰まる。

 それに、なんとなく分かるってどういう意味だろう。
 私、そんなの晒してた覚えなんてない。果歩くらいにしか。

 赤の他人にも見破られてしまうほど私が弱りきっているだけか、それともこの人と果歩も大概似た者同士ということか。
 なにか言い返してやりたかったけれど、今にも瞼から零れ落ちそうになっている涙を堪えるだけで精一杯の私にはとてもできない。

「じゃあさ、那須野さんは沓澤さんのこと、どう思ってるの?」
「……私は」
「誰がどう見てもさっさとくっついておかしくない感じなのにな。全部はっきり言わねえあいつのせいじゃん、戻ったらぶん殴っとくわ」
「な……や、やめてください!」
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