ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
まだ付き合ってはいないらしいけれど、おそらくは時間の問題だ。
私と沓澤課長の紆余曲折をあれこれ言っているわりには、このふたりこそなかなかくっつかない。今がまさにガツンと押すべきときだよ、三浦さん!と心底思うものの、果歩の前でそれを伝えるのは憚られる。
「さーて、そろそろ時間だな。戻るか」
「あ、本当だ。っていうか三浦さん、女同士の会話に参加して余裕で小一時間イケたね」
「そういうのは得意なんだよ。なんつーか、昔から女子に恋愛相談されやすいっつーか」
「出た、『いい人なんだけど』で終わる典型例」
「うるせえ!」
あはは、と果歩と一緒に声をあげて笑う。
つい半年前までは、少し頭の固い先輩だなと思って三浦さんと接していたはずなのに、新鮮で楽しい。そう思ったら、不意に悪戯心が芽生えた。
出入り口のドアを、私たちふたりが通過するまで開けて待ってくれている三浦さんへ向き直り、私はにっこりと微笑んで口を開いた。
「三浦さん。果歩ってすごくいい子なんで、絶対幸せにしてあげてくださ……」
「ちょっ、ゆずあんたなに言ってんの!? 待っ、ちょ、こ、こっち来なさいよ!!」
見る間に顔を赤くして慌てふためいた果歩が、私の腕を引っ掴む。
ぽかんと口を開けたきり固まってしまった三浦さんを置き去りにしつつ、いつだったか同じことを鈴香に言われたっけ、と思い出した私は再び声をあげて笑った。
私と沓澤課長の紆余曲折をあれこれ言っているわりには、このふたりこそなかなかくっつかない。今がまさにガツンと押すべきときだよ、三浦さん!と心底思うものの、果歩の前でそれを伝えるのは憚られる。
「さーて、そろそろ時間だな。戻るか」
「あ、本当だ。っていうか三浦さん、女同士の会話に参加して余裕で小一時間イケたね」
「そういうのは得意なんだよ。なんつーか、昔から女子に恋愛相談されやすいっつーか」
「出た、『いい人なんだけど』で終わる典型例」
「うるせえ!」
あはは、と果歩と一緒に声をあげて笑う。
つい半年前までは、少し頭の固い先輩だなと思って三浦さんと接していたはずなのに、新鮮で楽しい。そう思ったら、不意に悪戯心が芽生えた。
出入り口のドアを、私たちふたりが通過するまで開けて待ってくれている三浦さんへ向き直り、私はにっこりと微笑んで口を開いた。
「三浦さん。果歩ってすごくいい子なんで、絶対幸せにしてあげてくださ……」
「ちょっ、ゆずあんたなに言ってんの!? 待っ、ちょ、こ、こっち来なさいよ!!」
見る間に顔を赤くして慌てふためいた果歩が、私の腕を引っ掴む。
ぽかんと口を開けたきり固まってしまった三浦さんを置き去りにしつつ、いつだったか同じことを鈴香に言われたっけ、と思い出した私は再び声をあげて笑った。