ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
*
「コーヒー……」
「悪かったって。ちゃんと淹れ直すから機嫌直してくれ」
ベッドの傍で満面の笑みを浮かべる彼を、恨みがましく見つめ返す。
やはり手慣れている。いや、相手は私よりいくつも年上の大人の男性だ。その点に腹を立てるつもりは毛頭ないけれど、さすがにこの手際の良さには閉口せざるを得ない。
「あり得ないです……まだ明るいうちからこんなふしだらな……」
「かーわいい。そんなこと気にしちゃって」
茶化すように囁いた声の主をキッと睨みつけると、彼は声をあげて笑い、ベッドから離れていく。
怒らせたかと一瞬肝が冷えたものの、言葉通りコーヒーを淹れ直しにキッチンへ向かったのだとすぐに気づく。
案の定、戻った彼の手には、例のマグカップがそれぞれ載っていた。
室内に淡く広がるコーヒーの香りに、嫌気が差してくるほどの強烈な羞恥心が徐々にほぐれていく。とはいえ、身体を起こすのはまだ億劫で、私はぼんやりと視線をマグカップへ向ける。
すると、控えめな苦笑いを零した沓澤課長が口を開いた。
「コーヒー……」
「悪かったって。ちゃんと淹れ直すから機嫌直してくれ」
ベッドの傍で満面の笑みを浮かべる彼を、恨みがましく見つめ返す。
やはり手慣れている。いや、相手は私よりいくつも年上の大人の男性だ。その点に腹を立てるつもりは毛頭ないけれど、さすがにこの手際の良さには閉口せざるを得ない。
「あり得ないです……まだ明るいうちからこんなふしだらな……」
「かーわいい。そんなこと気にしちゃって」
茶化すように囁いた声の主をキッと睨みつけると、彼は声をあげて笑い、ベッドから離れていく。
怒らせたかと一瞬肝が冷えたものの、言葉通りコーヒーを淹れ直しにキッチンへ向かったのだとすぐに気づく。
案の定、戻った彼の手には、例のマグカップがそれぞれ載っていた。
室内に淡く広がるコーヒーの香りに、嫌気が差してくるほどの強烈な羞恥心が徐々にほぐれていく。とはいえ、身体を起こすのはまだ億劫で、私はぼんやりと視線をマグカップへ向ける。
すると、控えめな苦笑いを零した沓澤課長が口を開いた。