ビタースイート・ドロップ~次期社長の甘い嘘~
「さっきの話の続き、してもいいか」
「……さっき?」
「結婚の話」
サイドテーブルにマグカップを置いた沓澤課長は、ベッドに転がる私の傍へ歩み寄り、ぽんぽんと頭を撫でてくる。
擽ったさに頬を緩めて笑うと、彼もまたつられたように笑った。
「ちゃんとコミュニケーションが取れてれば問題ないと思う。あと、それって普通のカップルとか夫婦とかと完全に同じ話だからな。言っとくけど」
思いのほかまともな意見を口にされ、私はぐっと唸った。
正論でまとめられるとは想像していなかった分、拗ねた子供のような声が口をついてしまう。
「う……そりゃそうですけど」
「俺はゆずがいい。それだけじゃ駄目か?」
額を撫でていたはずの指に唇をなぞられ、私は反射的に息を詰める。
……この顔に弱いんだ、私は。蕩けるような微笑みにいつだって抗えない。その上、私以外の誰にも見せないだろう仕種で首を傾げられてしまっては、降伏以外の手段なんてもう残ってはいない。
「……さっき?」
「結婚の話」
サイドテーブルにマグカップを置いた沓澤課長は、ベッドに転がる私の傍へ歩み寄り、ぽんぽんと頭を撫でてくる。
擽ったさに頬を緩めて笑うと、彼もまたつられたように笑った。
「ちゃんとコミュニケーションが取れてれば問題ないと思う。あと、それって普通のカップルとか夫婦とかと完全に同じ話だからな。言っとくけど」
思いのほかまともな意見を口にされ、私はぐっと唸った。
正論でまとめられるとは想像していなかった分、拗ねた子供のような声が口をついてしまう。
「う……そりゃそうですけど」
「俺はゆずがいい。それだけじゃ駄目か?」
額を撫でていたはずの指に唇をなぞられ、私は反射的に息を詰める。
……この顔に弱いんだ、私は。蕩けるような微笑みにいつだって抗えない。その上、私以外の誰にも見せないだろう仕種で首を傾げられてしまっては、降伏以外の手段なんてもう残ってはいない。