大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
一瞬の出来事だった。腕を引かれ、抱き寄せられた。
視界が一瞬揺れて、次に気づいたときには穂高の胸に包まれていた。
どく、どく、と強い鼓動が、服越しにそのまま伝わる。
「……俺も好きだ。ずっと、ずっと……アメリカにいた時からずっとだ……!」
絞り出すような低い声。胸の奥が共感して震える。
「ずっと後悔してた。どうしてあの時……俺は、千紘の手を離したんだって……」
穂高がこんなに自分の気持ちを言葉で並べるなんて、昔の彼からは想像できなかった。
それだけ、この数年が彼の中でどれだけ大きかったのか考えてしまう。