大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「あ……まだ」
「少しだけかわいがらせて」

 耳元でくぐもった声がして、背筋が震える。

 彼の硬い指先が宝石でも扱うように優しく胸に触れてくる。
 だめ。まだ生理中なのに、こんなふうに触れられたら――。

「穂高……ダメ、キスしてて……」
「相変わらず、素直でかわいいな」

 お願いした瞬間、穂高がまた深く口づけてくる。
 舌が滑り込んできて、意識がふわっと持っていかれる。

「ふ、……んっ……」

 胸が苦しいほどにときめいて、今、抱き合えないのがつらいと本気で思ってしまう。
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