大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

 部屋に戻った瞬間、少し強引に腰を引き寄せられ、唇を奪われた。

「んっ……!」

 まるで、一瞬たりとも待てないとばかりに、彼の手が浴衣の帯に伸びる。

「あの……もう?」
「食事の時間、ずらしてもらった」
「用意いいな……」
「だって、もう一秒も待てないから」

 熱を帯びたその目に見つめられるだけで、全身が甘く痺れていく。

「……私も、待てない」

 そう言った瞬間、また唇が重なって、胸の奥まで一気に熱が広がった。

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