大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
午前の終わりになって、ようやく体を起こした。
頭は重いけれど、さっきよりは随分マシになっていたし、これ以上休むのも気が引ける。
とりあえず今日は事務作業を済ませてしまおう。
そう思って開発部に戻ったら、部長は出ていて、篠田さんが私の肩を叩いた。
「大丈夫? 貧血でしょ? まだ少し顔が青いもん」
「ご心配おかけしました。でも、もう大丈夫なので、デスク作業だけやっちゃおうかと思って」
「部長には、『桐沢が辛そうなら帰らせてやってくれ』って言われたんだよ。優しくて部下思いで、みんなうっとりよ~」
「ほんと、優しいですよね」
思わずつぶやいてしまう。
それからはデスクで、メール処理や資料確認だけを淡々と進めた。
穂高は夕方まで出ていたし、周りもそれ以上はとくに事情は聞いてこなかった。