大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
「おいしい! 本当においしい~! 最高! この味加減と後からくる黒コショウも絶品!」
「でしょ。千紘さんの好きなものは、穂高さんに聞いてたからね」
「……え」
その一言に、フォークを持つ手が固まった。心臓がバクバクと鳴る。
「うん。今日は、その話がしたくてね」
瑞穂さんの柔らかな声。彼女がこういう声のときは、だいたい本題が始まる時だ。
私はその言葉に息をのんでいた。