辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る
救出作戦は表向きには“極秘外交任務”として
準備が始まった。

デクランは、
信頼できる部下だけを選び
密かに招集する。

・武芸に優れ、寡黙で忠誠心の厚い近衛隊長レオナード
・頭脳明晰で冷静、デクランの幼馴染でもある参謀カーティス
・船の操舵に長けた元海賊の航海士ジョサイア
・護身術と医療に精通した女性隊士マリナ

カーティスが眉をひそめた。

「相手はドラゴニア帝国ですよ、デクラン王子。
ただの救出ではすまないかもしれません」

「分かってる。でも、放っておけないんだ」

レオナードは剣に手をかけ、短く言った。
「あなたが行くなら、我々も行きます」

マリナは微笑む。
「侯妃様は、あなたを信じていますものね。
急ぎましょう。拘束が厳しくなる前に」

ジョサイアは陽気に笑い、肩をすくめる。
「ドラゴニアの港は抜け道だらけで有名でな。
入る方法なら心当たりがあるぜ、王子」

デクランの胸に、心強い熱が湧いた。
(これなら……必ず救える)
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