辺境に嫁いだ皇女は、海で真の愛を知る

新天地・ヴァリニア王国

アルドレインでの短い再会と休息を経て、
一行はさらに北へと向かい、
ついに──ヴァリニア王国に入る。

エドリック国王は気さくで豪胆、
エレオノール王妃は知的で茶目っ気たっぷり。
そんな二人が、
ファティマとデクランたちを
まるで家族のように迎え入れた。

「よくぞ来てくれた!遠路はるばる大変だっただろう!」
「お待ちしてましたわ。まぁまぁ、少しやつれたのでは?皆よく頑張ったわねぇ!」

ファティマへの歓迎は特に温かく、
長く続いた旅の緊張が
ようやく解けた。

旅の途中はなかなか
ちゃんとした食事も出来なかっただろうと
国王夫妻はごくごく私的な晩餐を
ファティマたちのために催してくれた。
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