つまずいた先、運命の人【マンガシナリオ】

6.捻挫

○大学・午前
唯モノ『次の日。授業が3限からなので朝一で大学近くの整形外科で診てもらった。軽い捻挫という診断でホッとする。』
病院を出て大学まで歩く唯。※びっこを引きながら歩く
唯(今度バーに服返しに行かなくちゃ。)
・唯リュック(クリーニングに出す制服もリュックの中)


◯今朝の回想
唯モノ『今朝、目覚めてからも昨夜のことが夢だったのではないかと現実味が無かったが、足の痛みとクリーニングに出そうと畳んであるバーの制服が現実だったことを突きつけた。』
起床してボーっとしている唯。
唯(あんまり眠れなかったな・・・)
布団を捲ると包帯が巻かれたままの足が目に入る。
まだ痛みが残っている。
リビングに行くとソファーに畳んであるバーの制服があり諸々の痕跡が色々あったことを思い出させた。
唯の脳裏に湊の微笑みが思い浮かび赤面する。
唯(夢であって欲しかった〜!)
両手で顔を覆い羞恥に悶える。


◯現在に戻る
唯「はぁ・・・」
ため息を吐き教室に入って行く唯。
教室を見回すと机に伏せて暗いオーラを出す香織を見つけた。
唯「おはよう香織。二日酔い?」
隣に座り声をかけるとテーブルに頭をつけたままこちらに振り返る青い顔をした香織。
香織「お”は”よ”う”。」 ※満身創痍な顔
唯(あらら・・・)
唯「休めばよかったのに。」
香織「この単位は落としたくないのよ・・・」
唯モノ『香織は意外と真面目だ・・・見た目が目立つほど美人なのでそこばかり見られがちだが、真面目で素直な可愛らしい内面も私は好きだ。』
唯「後で授業の内容まとめて送るよ。楽な体勢でいな。」
香織「心の友よ〜!」
香織に勢いよく抱きつかれ思わず捻挫している方の足で踏ん張ってしまい足に痛みが走る。
唯「痛っ!」
香織「?・・ごめん、痛かった?」
唯「実はさ・・・昨日香織を見送った後転んで足捻っちゃって・・・」
香織は足元を覗き込む。
香織「うぇぇっ!痛そう!私なんかより大事じゃん!もしかして、私が転ばせた・・・?」※顔面蒼白
唯「違う違う!香織を見送った後だから。」
香織「でも、記憶曖昧だけどタクシーに乗せてくれたの唯でしょ?私が思い切り体重かけたから疲れてふらついたんだよ!ごめんよ〜!」
今度は唯に体重を掛けないように慎重に抱きつく香織。
唯「私も思ったより飲んでたから足元ふらついただけだよ。軽い捻挫だし大丈夫。」
安心させるように微笑む唯。
香織「唯に危険がないように私がボディーガードになるから!」
二日酔いはどこへやら。急に張り切り出す香織に唯は可笑しそうに笑みを溢す。
香織「てか昨日お金建て替えてくれたんだよね?ちゃんと返すから〜!いくらだった?」
唯(その後のことは話した方がいいかな・・・)
講師「講義を始めます。」
香織「ランチ一緒に食べよ。その時お金も返すね。」
唯は頷き講義に集中することにした。


○大学の食堂・昼
向かい合って座る唯と香織。
香織「えぇぇぇぇぇっ!!!」
唯モノ『お昼になり、生徒たちが和気藹々と昼食をとる中、食堂に香織の絶叫が響き渡った・・・』


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