つまずいた先、運命の人【マンガシナリオ】

7.恋バナ

○大学の食堂・昼
香織「えぇぇぇぇっ!!」
唯はあまりの音量に耳を塞ぐ。
唯『先ほど昨夜の経緯を話したところ、この反応である・・・』
香織「ドユコト!?イケメンに助けてもらって?バーのイケメンに心配されて?怪我の手当てもしてもらって?家までお姫様抱っこで送ってもらっただと!?」
唯に迫りながら言葉を紡いでいく香織。
唯は香織の圧にだんだんと小さくなっていく。
香織「そんなの・・・・・・・羨ましすぎるっ!!!」
一瞬俯いて暗くなる香織。バッと顔を上げると大号泣しながらハンカチを噛んでいる。
唯「へっ?」
まさかの反応に気の抜けた声が出る唯。
香織「何そのドラマみたいな展開!羨ましい!私にも降ってこいイケメン!」
唯モノ『香織は恋バナになるといつもの何倍もめんど、ん”ん・・・目が輝く』
香織「で!?送ってもらった後は!?連絡先とか交換してないの!?」
香織が興奮気味に聞いてくる。
湊の微笑みがまた思い出され頬が赤く染まる。
香織「えっ何その反応!ちゅーでもしちゃったのぉ〜?」
ニヤニヤと揶揄ってくる香織。
唯「してないよっ送ってもらってすぐ帰ったし、連絡先も交換してないです」
誤魔化すようにペットボトルのお茶を飲む唯。
香織「好きになっちゃった?」
唯「っ!?ゴホッゴホッ・・・!」
香織の突拍子もない発言に思い切りむせる。
香織「大丈夫?」※笑いながら
唯「違っ好きとかそういうんじゃないから!」
香織「ふ〜ん・・・」
何か確信を得ているような香織の反応が気まずくて話を逸らす唯。
唯「バーで着替えを借りてるから今度お礼しに行こうと思ってるんだけど・・・」
香織「私も行く!!」
唯(絶対言うと思った)
香織「いつ行く?明日?あ!捻挫治ってからか・・・どのくらいで治る!?」
唯「もうちょっと心配そうにしてくれてもいいのに・・・」※口を尖らせていじけた顔
香織「イケメンとの出会いに勝るものなし!」※キメ顔
唯「心の友なんじゃなかったの・・・?」
ジトっと香織を睨む唯。
香織「ヒヒヒ!」
唯(いたずらっ子のような可愛い笑顔が憎い・・・)※悔しそうな顔
唯「まったくもぅ・・・お医者さんには1週間くらいは無理しない方が良いって言われたから1週間後に違和感なかったら行こう。」
香織「じゃあ今日金曜日だから来週の金曜は?」
唯はスマホのカレンダーアプリを起動して予定を確認する。
唯「大丈夫だよ。」
香織「よし決まり!それまでは無理しちゃダメだからね!」
唯「分かりました」※呆れた笑い
昼食を再開する二人。
香織「あ!そういえば私インターン先決まったよ!」※ピースサインにウインク
唯「え!おめでとう!」
香織「ありがとう。」
ハイタッチを交わす二人。
香織「昨日はその話しようとしてたのにあのクソ野郎のこと思い出したせいでできなかった・・・」
香織の綺麗な顔が般若のように歪む。
唯(あ、まずい・・・話を逸らそう!)
唯「私、再来週の火曜日に面接なんだよね。緊張するなぁ・・・。どんなこと聞かれた?」
香織「こないだ面接練習したじゃん?あんな感じだったよ。」
唯「最近コンペ落ちまくるし、デザインの方向性が迷子だし自信ないなぁ・・・はぁ」※落ち込んだ表情
柚乃「唯ちゃんまたコンペ落ちたんでしょ?やっぱり去年の最優秀賞はマグレだったんだね。」
友達と一緒に意地悪く笑いながら唯を蔑む柚乃。
柚乃の登場に唯と香織の間に一気に緊張が走った。
・柚乃 ミルクティー色のロングヘア、ゆるふわ巻き髪、可愛い顔立ちでモテる、裏表があり唯の前では本性が出る



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