拝啓、愛しのパイロット様

(そんなに見た目が重要か?)

 パイロットになるための努力を軽く扱われているようで、腹立たしい気持ちすら感じていた。
 けれど、小町は違った。
 由桔也の書く字を褒めてくれた小町には、嘘やお世辞なんてひとつもなく、本当に純粋に鍛錬の成果を褒めてくれた。
 それがどれほど嬉しかったか、本人だけが知らない。
 夢に向かって突き進む小町を知れば知るほど惹かれていって、神城みたいな卑劣な輩に標的にされているとわかってからは、全力で守ってやりたくなった。

(どうしたら信用してもらえるんだろう)

 小町は文房具のことになると目をキラキラと輝かせる一方、恋愛の話になると途端に心を閉ざしてしまう。
 幼少期に置かれた環境を考えれば、仕方のないことかもしれない。

(それでも俺は……)

 ――これからもそばにいてほしい。
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