拝啓、愛しのパイロット様
「宇佐美実登里の息子の由桔也です」
「実登里先生の息子さんですか?」
驚いて聞き返すと同時に、スマホにもうひとつメッセージが届く。
『私の代わりに息子がそちらに行きます。このお詫びはまた後日します』
メッセージを確認した小町は由桔也を二度見した。
言われてみれば、彼はどことなく実登里に似ていた。
これ以上は疑う余地はない。
「仁科小町です。はじめまして」
改めて自己紹介すると、由桔也は心底申し訳なさそうに口を開いた。
「遅れてすまなかった。出がけにひと悶着あって」
「ひと悶着?」
「母がどうしても行くって聞かなくて。必死で引き留めていた」
由桔也の話を聞いた小町はぎょっとした。
腰を痛めているのに出かけようとするなんて、無謀すぎる。
「先生は大丈夫なんですか?腰を痛めたって聞きましたけど」
「大丈夫。ただのぎっくり腰だから」
由桔也の話に寄ると、小町と会うため張り切って支度をしている途中、少し高めの位置にある服をとろうと身体を伸ばした結果、腰を痛めてしまったらしい。