拝啓、愛しのパイロット様
「そうだ!ポストカードなんてどうですか?」
「ポストカード?」
「はい、実登里先生が書かれた字をプリントするんです。実際に使ってもいいですし、額に入れて飾るのも素敵です」
ポストカードなら手軽に飾れるし、いつでも実登里の字を眺められるなんて、ファンならうれしいだろう。
「よさそうだな。ポストカードなら余っても、そんなに困らないし。ポストカード用に、字を書き下ろしてもらってもいいな。さっそく母に相談してみるよ」
由桔也もようやく納得してくれたようで、面目躍如の活躍ができて、肩の荷が降りた気分になる。
(よかった)
記念品の詳細が決定し、スケジュールについて終えたら、具体的に契約の話を進める。
「こちらに由桔也さんの住所と連絡先の記入をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「ああ」
ボールペンと仮申し込み書を渡すと、由桔也はすらすらと淀みなく必要事項を記入していった。
由桔也がボールペンを動かすやいなや、ぶわっと鳥肌が立つ。
(うわあ……!)
小町は一瞬にして彼の書く字に目を奪われてしまった。
サッサっと音を立てながら、ボールペンは流れるように動いていく。
同じペンを使っているはずなのに、小町が書く字とは雲泥の差だ。