拝啓、愛しのパイロット様
(な、なんで!?)
『絶対に好きにさせてみせる』と宣言されたも同然で、顔が熱くなっていくのが自分でもわかる。
正気か確かめようと、頬をつねりたくなる衝動を必死になって我慢していたら、髪から指が離れていく。
彼の様子を窺うようにおそるおそる瞳を覗き込むと、余裕たっぷりの微笑みを返された。
「今日は休もう。小町も疲れているだろう?寝室のベッドを自由に使ってもらってかまわないから」
「え?」
家主を差し置いてベッドで寝るつもりなど一切なかったので、由桔也の指示に目を丸くする。
さすがに床で寝るのはつらいので、ソファを借りれたらいいなと思っていたから余計にだ。
そんな小町の遠慮など、由桔也にはお見通しだったらしい。
「ソファなんかに寝かせられないよ。遠慮なくベッドを使ってくれ。それとも、他人が使ったベッドは嫌か?一応、シーツは変えたけど」
「それは平気です」
「じゃあ、決まりだな」
共有が平気と言ったつもりだったのに、由桔也は強制的にベッドの使用権を小町に譲った。
少し強引だったけれど、彼なりに気を遣ってくれたのだろう。
時刻は既に深夜零時を回っている。
身体がクタクタなのは、たしかだった。