拝啓、愛しのパイロット様

「それで、これからどうするつもりだ?」

 朝食が終わり食後のコーヒーを飲んでいる最中、由桔也はゆっくりと口を開いた。
 小町もひと晩経って、冷静さを取り戻しつつある。
 コーヒーカップをテーブルに置き、ひと息で答える。

「とりあえず、あのアパートから引っ越します」

 ムーンライト文具に就職以来、ずっとあのマンションで暮らしてきて、それなりに愛着もあったが、こうなった以上引っ越した方がいいだろう。

「引っ越しさえすれば、もうあんなことは起きないだろうし」
「仕事を変えなければ、引っ越したところで、また同じことの繰り返しじゃないのか?」

 もっともすぎる鋭い指摘に、小町はグッと押し黙った。
 彼の言う通りだ。
 社内の手続き上、引っ越し先を会社に知らせないわけにはいかない。
 もし犯人が神城なら、小町の個人情報がまた漏洩する可能性がある。
 答えに窮していると、由桔也はさらに続けた。
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