拝啓、愛しのパイロット様
荷造りが終了すると、厳選した文房具を詰め込んだスーツケースを携え、由桔也のマンションへとんぼ返りする。
その帰りにホームセンターに寄り、布団一式とマットレスを購入して、部屋の中に運び込む。
「こっちは書斎にしているんだ。狭くてごめん」
「いいえ、平気です」
小町には、普段は書斎にしているという七畳ほどの一室が割り当てられた。
壁一面に並べられた本棚の脇にはひとりがけの小さなソファが置かれていて、居心地は悪くなさそうだ。
なにより、昨日のように由桔也のベッドを占領しないで済むとあって、随分と気が楽になる。
「しばらくお世話になります」
「ああ」
小町が頭を下げると、由桔也は白い歯をのぞかせながらうれしそうに頷いたのだった。