(漫画シナリオ)マオ様はご所望です!
04:マオ様にバレました⁈
◯大学・講義室(昼)
杏、スマホを見ながら顔を顰める
スマホの画面には、現役の気象予報士を招いてセミナー&食事会を知らせる内容が表示されている。
杏(……行きたい)
杏ナ⦅獅子原さん家に居候を始めて早三週間。本日は、集中講義のため、朝から大学にいた⦆
杏ナ⦅そして休憩中にスマホを触っていたら、お知らせが⦆
杏(……でも、二万、二万か……)※ガックリ項垂れる
杏ナ⦅気象予報士の合格率は毎年五%前後。しかし、資格を取ることと現場で生かすことは別⦆
杏(現役の気象予報士の方から直接お話しを聞けるチャンスはなかなかないのに…)
杏、画面の『20名限定』『参加費二万円』の文字を見て溜息をつく
杏(バイト代の前借りできないか聞いてみようかな。すぐに申し込まないと20名なんてあっという間だよね……)
彩絵「げっ。最悪」
杏、隣に座っている女子学生を思わず見る
彩絵「なんでよっ。……あ、すみません」※杏に見られていることに気づき会釈する
杏「いえ…」※首を横にふり、前を向く
杏(うわぁ、大人っぽい。綺麗な子だな……)
杏、チラッと横目で見る
彩絵、ぱっちりの目元、つやつやの唇、綺麗に巻いた髪の毛、おしゃれなアクセサリー、上品なネイル、ふわふわの可愛いブラウスを着ている
杏(対してわたしは……)
杏、自分を見下ろす
杏、すっぴん、髪はひとつでまとめている、ファストファッションブランドで買ったTシャツ、デニム、よれよれのスニーカー
杏(この間服をたくさん買ってもらったけど、着るのがもったいなくて、結局いつもの格好っていう……)
杏、遠い目
彩絵「あの、国際教養学部の高木彩絵です。二年です」
杏(同じ年だったんだ……)
彩絵「お名前を伺ってもいいですか?」
杏「は、はい。理工学部の小山内杏です。わたしも二年です」
彩絵「あ、タメなんだ。よかった。この講義どの学年もいるから……」
杏「ですよね」
杏(もしかして、一年だと思われていたかな……)※愛想笑い
彩絵「小山内さん、突然だけど今夜時間ある?」
杏「え? 今夜?」
彩絵「うん。バイト先で人が足りなくて助けてほしくて」※手を合わせる
彩絵「ちなみに三時間で二万」※杏を窺いながらピースする
杏「……三時間で、二万……?」※興味を持つ
杏、頭の中でセミナー&食事会の広告を思い出す
彩絵「うん。ちょっとおしゃれして、楽しくお酒を飲みながらおしゃべりするお仕事なんだけど」
杏(二万…! しかも三時間で?!)
彩絵「服や靴は衣装があるし貸し出しもする。もちろんちゃんとしたお店だし、危ないことは」
杏「やります!」※彩絵の手を握る
彩絵、目を丸くする
杏「えっと、わたしで大丈夫なら……っ」
彩絵「助かる!」※パーっと目を輝かせて
◯彩絵が勤めるラウンジ・スタッフルーム(夜)
杏、フェミニン清楚系の露出のないワンピース姿。専属のヘアメイクアーティストにメイクとヘアアレンジをしてもらう。
杏、鏡の前に立ち、自分の変貌ぶりに驚く。
彩絵「杏はちゃんと磨けば化けると思ったのよね〜」※ドヤ顔
杏(す、すごい……!)※鏡を覗きこみながら
杏ナ⦅授業が終わり、高木さんとバイト先のラウンジに来た⦆
杏(もっと怖い場所かと思ったけど……)
〈過去回想〉
キャスト1「あれ、新人ちゃん?」
彩絵「はい、大学の友達です。 今日は体入で」
杏「よろしくお願いしますっ」
キャスト2「へぇ。よろしくね」
キャスト3「わかんないことがあればなんでも聞いてね」
〈過去回想・終了〉
杏、周囲を見回しながら
杏(みんな美人だし、優しそう。仲もいいんだ……)
キャストたち、おしゃべりしたり、スマホを弄ったり、ご飯を食べたりしている。
杏のスマホ画面、麻緒に『友達とご飯にいくから遅くなります』と送信。返事なし。未読状態。
杏(忙しいよね、きっと)※肩を落とす
彩絵「そうだ。源氏名どうしようか」
杏「源氏名……?」
彩絵「ちなみにわたしは〝アリス〟だよ」※両頬に人差し指を当てるポーズ
杏「すごい、センスいいね。似合ってる…!」※目を輝かせる
彩絵「ほ、本当?!」
杏「うん! すごくいいよっ」
彩絵「えへへ。実は自分でも気に入ってるんだ〜」
杏(名前、どうしよう…)※頭をひねる
杏(モモ…は、お姉ちゃんの名前だし。マリ…は、お母さんの名前)
杏、麻緒の顔を思い出し、慌てて振り払う。
杏(いやいやいや……)
彩絵「ねえ、〝サナ〟ってどうかな?」
杏(〝サナ〟……?)
杏「うん、素敵!」※笑顔
彩絵「よかった…!」※安堵する様子
◯彩絵が勤めるラウンジ・フロア(夜)
倉田(客)来店。スーツを着たダンディなおじさま
杏、彩絵と共に一人の男性客につく。
彩絵「倉田様、こんばんは〜。お久しぶりですね」
倉田「あぁ、アリスちゃん。少し忙しかったんだ」
杏、彩絵と共に男性を挟んで席につく。
杏ナ⦅わたしの仕事は、お客様の話を聞くこと。話しかけられたら話すこと⦆
杏(リアクションは大きく、笑顔で)
杏ナ⦅基本的に高木さんが話をしてくれるから、わたしはお酒作り担当⦆
杏(居酒屋と変わらなくてよかった)※ホッとする
彩絵「あ、倉田さん。紹介しますね。サナちゃんです」
杏「こ、こんばんは。サナです」※にっこり
◯彩絵が勤めるラウンジ・フロア玄関(夜)
倉田、退店
杏・彩絵、見送る
杏・彩絵「「ありがとうございました〜」」
杏ナ⦅高木さんのコミュ力のおかげで、会話は弾んだ。適度にパスをくれたので、わたしも楽しめた⦆
彩絵「サナちゃん、よかったよ。そんな感じで」※サムズアップ
杏「はい!」※笑顔
黒服「アリスさん、サナさん。次、VIPの団体様お願いします」
杏・彩絵「「はい」」
杏、彩絵についていく
◯彩絵が勤めるラウンジ・VIPルーム
男性四人、キャスト六人がいる。
麻緒、両脇に女性を座らせている。
彩絵「こんばんは〜! お邪魔しまーすっ」※笑顔
杏「こ、こんばんわ〜……っ!」
杏、麻緒と目が合う
麻緒、目を丸くする
杏、顔が引き攣る
杏(う、嘘〜)
杏(どうしているの? 聞いてないよーー)※冷や汗ダラダラ
◯彩絵が勤めるラウンジ・VIPルーム
杏、席の端に座る。時々麻緒から視線を感じて居心地が悪い。
麻緒、杏が客と話すたびに一瞥する
黒服、扉から声をかける
黒服「キララさん、リリさん」
キララ「えー、もう少しお話ししたいなぁ。ダメですか?」
キララ、麻緒を見つめて甘える様子
麻緒「ごめんね」※クールな様子で
キララ「ざんね〜ん」※ムッとする様子で
キララ・リリ、席を立ち退出。
麻緒、杏の方を見て声をかける
麻緒「ねえ、新人さん? こっちにきて」
周囲、ギョッとする
杏、驚く
麻緒「そこだと、楽しくないでしょ」
麻緒、自分の隣(キララが座っていた場所)を指でトントンする
彩絵、杏の背中を押しながら
彩絵「(行って)」
杏「(で、でも)」
彩絵「(いいから)」※笑顔で圧
杏、緊張しつつ麻緒の隣に座る
麻緒「はじめまして。名前は?」
杏「さ、サナです。はじめまして……」
キャスト1「あまりいじめないでくださいね〜」※笑顔
キャスト2「今日が初出勤なんで」※笑顔
杏(な、なんか怖い……)※顔が引き攣る
麻緒「へえ。初めてなんだ。じゃあ、俺が帰るまで隣にいてもらおうかな」※にっこり
杏「……へ?」
彩絵「サナさん、場内指名でーす」
客&キャスト陣(ーーー?!)
杏(なにが〝じゃあ〟なの〜〜〜?!)※青ざめる
杏ナ⦅結局退勤時間まで、獅子原さんの隣から動けなかった。ーーそして⦆
◯麻緒・自宅マンションリビング(深夜)
杏ナ⦅店の前で待っていた獅子原さんに、強制的にタクシーに乗せられた⦆
杏、ソファーに座り事情を説明。顔と髪の毛はラウンジ仕様。服はTシャツ・デニム。
麻緒、スーツのままソファーに座り事情を聞く
〈過去回想〉
◯彩絵が勤めるラウンジ・外
麻緒、店の前にタクシーを止めている
杏、彩絵と共に退店する
杏、二万円もらえてほこほこ
杏(これで、申し込みできる……!)※うきうき
彩絵、麻緒が待っていたことに気づく
彩絵「え?!」
杏、麻緒を見て顔が引き攣る
麻緒、タクシーを指しながら
麻緒「杏、乗れ」※笑顔で圧をかける
杏、黙ってタクシーに乗る
彩絵「え?! あ、サナちゃん?!」
その後、彩絵から「大丈夫?」「警察呼ぶ?」と大量に着信通知とメッセージが届く
〈過去回想・終了〉
杏ナ⦅高木さんに獅子原さんは知り合いだと伝えた⦆
杏(でも悪いことしたよね……)
杏(すごく心配させたし……)※遠い目
麻緒「……なるほど。理由はわかった」
杏、ホッと胸を撫でおろす
麻緒「けど……」
麻緒、杏を覗き込み、まだ紅色の残る杏の唇を親指で拭う
麻緒「この色、杏には似合わない」※杏の目を見つめたまま
杏、言葉を失う。ドキドキする
杏(ーーっ!?)
麻緒「この間、俺が買ったヤツは?」※不機嫌そうに
杏「あっ……」※思い出す
杏ナ⦅その夜は獅子原さんの顔が頭から離れなくて、なかなか眠れなかった⦆
杏、スマホを見ながら顔を顰める
スマホの画面には、現役の気象予報士を招いてセミナー&食事会を知らせる内容が表示されている。
杏(……行きたい)
杏ナ⦅獅子原さん家に居候を始めて早三週間。本日は、集中講義のため、朝から大学にいた⦆
杏ナ⦅そして休憩中にスマホを触っていたら、お知らせが⦆
杏(……でも、二万、二万か……)※ガックリ項垂れる
杏ナ⦅気象予報士の合格率は毎年五%前後。しかし、資格を取ることと現場で生かすことは別⦆
杏(現役の気象予報士の方から直接お話しを聞けるチャンスはなかなかないのに…)
杏、画面の『20名限定』『参加費二万円』の文字を見て溜息をつく
杏(バイト代の前借りできないか聞いてみようかな。すぐに申し込まないと20名なんてあっという間だよね……)
彩絵「げっ。最悪」
杏、隣に座っている女子学生を思わず見る
彩絵「なんでよっ。……あ、すみません」※杏に見られていることに気づき会釈する
杏「いえ…」※首を横にふり、前を向く
杏(うわぁ、大人っぽい。綺麗な子だな……)
杏、チラッと横目で見る
彩絵、ぱっちりの目元、つやつやの唇、綺麗に巻いた髪の毛、おしゃれなアクセサリー、上品なネイル、ふわふわの可愛いブラウスを着ている
杏(対してわたしは……)
杏、自分を見下ろす
杏、すっぴん、髪はひとつでまとめている、ファストファッションブランドで買ったTシャツ、デニム、よれよれのスニーカー
杏(この間服をたくさん買ってもらったけど、着るのがもったいなくて、結局いつもの格好っていう……)
杏、遠い目
彩絵「あの、国際教養学部の高木彩絵です。二年です」
杏(同じ年だったんだ……)
彩絵「お名前を伺ってもいいですか?」
杏「は、はい。理工学部の小山内杏です。わたしも二年です」
彩絵「あ、タメなんだ。よかった。この講義どの学年もいるから……」
杏「ですよね」
杏(もしかして、一年だと思われていたかな……)※愛想笑い
彩絵「小山内さん、突然だけど今夜時間ある?」
杏「え? 今夜?」
彩絵「うん。バイト先で人が足りなくて助けてほしくて」※手を合わせる
彩絵「ちなみに三時間で二万」※杏を窺いながらピースする
杏「……三時間で、二万……?」※興味を持つ
杏、頭の中でセミナー&食事会の広告を思い出す
彩絵「うん。ちょっとおしゃれして、楽しくお酒を飲みながらおしゃべりするお仕事なんだけど」
杏(二万…! しかも三時間で?!)
彩絵「服や靴は衣装があるし貸し出しもする。もちろんちゃんとしたお店だし、危ないことは」
杏「やります!」※彩絵の手を握る
彩絵、目を丸くする
杏「えっと、わたしで大丈夫なら……っ」
彩絵「助かる!」※パーっと目を輝かせて
◯彩絵が勤めるラウンジ・スタッフルーム(夜)
杏、フェミニン清楚系の露出のないワンピース姿。専属のヘアメイクアーティストにメイクとヘアアレンジをしてもらう。
杏、鏡の前に立ち、自分の変貌ぶりに驚く。
彩絵「杏はちゃんと磨けば化けると思ったのよね〜」※ドヤ顔
杏(す、すごい……!)※鏡を覗きこみながら
杏ナ⦅授業が終わり、高木さんとバイト先のラウンジに来た⦆
杏(もっと怖い場所かと思ったけど……)
〈過去回想〉
キャスト1「あれ、新人ちゃん?」
彩絵「はい、大学の友達です。 今日は体入で」
杏「よろしくお願いしますっ」
キャスト2「へぇ。よろしくね」
キャスト3「わかんないことがあればなんでも聞いてね」
〈過去回想・終了〉
杏、周囲を見回しながら
杏(みんな美人だし、優しそう。仲もいいんだ……)
キャストたち、おしゃべりしたり、スマホを弄ったり、ご飯を食べたりしている。
杏のスマホ画面、麻緒に『友達とご飯にいくから遅くなります』と送信。返事なし。未読状態。
杏(忙しいよね、きっと)※肩を落とす
彩絵「そうだ。源氏名どうしようか」
杏「源氏名……?」
彩絵「ちなみにわたしは〝アリス〟だよ」※両頬に人差し指を当てるポーズ
杏「すごい、センスいいね。似合ってる…!」※目を輝かせる
彩絵「ほ、本当?!」
杏「うん! すごくいいよっ」
彩絵「えへへ。実は自分でも気に入ってるんだ〜」
杏(名前、どうしよう…)※頭をひねる
杏(モモ…は、お姉ちゃんの名前だし。マリ…は、お母さんの名前)
杏、麻緒の顔を思い出し、慌てて振り払う。
杏(いやいやいや……)
彩絵「ねえ、〝サナ〟ってどうかな?」
杏(〝サナ〟……?)
杏「うん、素敵!」※笑顔
彩絵「よかった…!」※安堵する様子
◯彩絵が勤めるラウンジ・フロア(夜)
倉田(客)来店。スーツを着たダンディなおじさま
杏、彩絵と共に一人の男性客につく。
彩絵「倉田様、こんばんは〜。お久しぶりですね」
倉田「あぁ、アリスちゃん。少し忙しかったんだ」
杏、彩絵と共に男性を挟んで席につく。
杏ナ⦅わたしの仕事は、お客様の話を聞くこと。話しかけられたら話すこと⦆
杏(リアクションは大きく、笑顔で)
杏ナ⦅基本的に高木さんが話をしてくれるから、わたしはお酒作り担当⦆
杏(居酒屋と変わらなくてよかった)※ホッとする
彩絵「あ、倉田さん。紹介しますね。サナちゃんです」
杏「こ、こんばんは。サナです」※にっこり
◯彩絵が勤めるラウンジ・フロア玄関(夜)
倉田、退店
杏・彩絵、見送る
杏・彩絵「「ありがとうございました〜」」
杏ナ⦅高木さんのコミュ力のおかげで、会話は弾んだ。適度にパスをくれたので、わたしも楽しめた⦆
彩絵「サナちゃん、よかったよ。そんな感じで」※サムズアップ
杏「はい!」※笑顔
黒服「アリスさん、サナさん。次、VIPの団体様お願いします」
杏・彩絵「「はい」」
杏、彩絵についていく
◯彩絵が勤めるラウンジ・VIPルーム
男性四人、キャスト六人がいる。
麻緒、両脇に女性を座らせている。
彩絵「こんばんは〜! お邪魔しまーすっ」※笑顔
杏「こ、こんばんわ〜……っ!」
杏、麻緒と目が合う
麻緒、目を丸くする
杏、顔が引き攣る
杏(う、嘘〜)
杏(どうしているの? 聞いてないよーー)※冷や汗ダラダラ
◯彩絵が勤めるラウンジ・VIPルーム
杏、席の端に座る。時々麻緒から視線を感じて居心地が悪い。
麻緒、杏が客と話すたびに一瞥する
黒服、扉から声をかける
黒服「キララさん、リリさん」
キララ「えー、もう少しお話ししたいなぁ。ダメですか?」
キララ、麻緒を見つめて甘える様子
麻緒「ごめんね」※クールな様子で
キララ「ざんね〜ん」※ムッとする様子で
キララ・リリ、席を立ち退出。
麻緒、杏の方を見て声をかける
麻緒「ねえ、新人さん? こっちにきて」
周囲、ギョッとする
杏、驚く
麻緒「そこだと、楽しくないでしょ」
麻緒、自分の隣(キララが座っていた場所)を指でトントンする
彩絵、杏の背中を押しながら
彩絵「(行って)」
杏「(で、でも)」
彩絵「(いいから)」※笑顔で圧
杏、緊張しつつ麻緒の隣に座る
麻緒「はじめまして。名前は?」
杏「さ、サナです。はじめまして……」
キャスト1「あまりいじめないでくださいね〜」※笑顔
キャスト2「今日が初出勤なんで」※笑顔
杏(な、なんか怖い……)※顔が引き攣る
麻緒「へえ。初めてなんだ。じゃあ、俺が帰るまで隣にいてもらおうかな」※にっこり
杏「……へ?」
彩絵「サナさん、場内指名でーす」
客&キャスト陣(ーーー?!)
杏(なにが〝じゃあ〟なの〜〜〜?!)※青ざめる
杏ナ⦅結局退勤時間まで、獅子原さんの隣から動けなかった。ーーそして⦆
◯麻緒・自宅マンションリビング(深夜)
杏ナ⦅店の前で待っていた獅子原さんに、強制的にタクシーに乗せられた⦆
杏、ソファーに座り事情を説明。顔と髪の毛はラウンジ仕様。服はTシャツ・デニム。
麻緒、スーツのままソファーに座り事情を聞く
〈過去回想〉
◯彩絵が勤めるラウンジ・外
麻緒、店の前にタクシーを止めている
杏、彩絵と共に退店する
杏、二万円もらえてほこほこ
杏(これで、申し込みできる……!)※うきうき
彩絵、麻緒が待っていたことに気づく
彩絵「え?!」
杏、麻緒を見て顔が引き攣る
麻緒、タクシーを指しながら
麻緒「杏、乗れ」※笑顔で圧をかける
杏、黙ってタクシーに乗る
彩絵「え?! あ、サナちゃん?!」
その後、彩絵から「大丈夫?」「警察呼ぶ?」と大量に着信通知とメッセージが届く
〈過去回想・終了〉
杏ナ⦅高木さんに獅子原さんは知り合いだと伝えた⦆
杏(でも悪いことしたよね……)
杏(すごく心配させたし……)※遠い目
麻緒「……なるほど。理由はわかった」
杏、ホッと胸を撫でおろす
麻緒「けど……」
麻緒、杏を覗き込み、まだ紅色の残る杏の唇を親指で拭う
麻緒「この色、杏には似合わない」※杏の目を見つめたまま
杏、言葉を失う。ドキドキする
杏(ーーっ!?)
麻緒「この間、俺が買ったヤツは?」※不機嫌そうに
杏「あっ……」※思い出す
杏ナ⦅その夜は獅子原さんの顔が頭から離れなくて、なかなか眠れなかった⦆