私が好きになったのはどっちなの?
「い、いえ、ちゃんと日頃お世話になってる気持ちを込めましたよ」
 今日だって朝五時に起きてお弁当を作ったのだ。
「はいはい」
 私の顔を見ずに返して先生はお弁当の蓋を開ける。
「先生、適当に流さないでください」
「いただきます。おっ、今日は肉巻きおにぎりに玉子焼き、それにポテトサラダもある」
 お弁当を見て驚く蓮先生にとびきりの笑顔を向けた。
「でしょう? 頑張ったんですよ」
「はいはい。頑張りましたね」
 わざと釣れない言い方をする先生にムッとして、彼の腕を掴んだ。
「だから、先生〜」
「早く食べないと、練習する時間なくなるよ」
 先生に言われ、ハッとして手を放す。
「あ~、もう。はい、いただきます」
 仕方なく手を合わせ食べ始めると、先生が子供みたいな笑顔を見せる。
「この肉巻きおにぎり、すごく美味しい。気に入った」
 大人な蓮先生もこんな風に笑うんだ。
「毎日注射してくれるなら、また作りますよ」
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