私が好きになったのはどっちなの?
 褒められたのが嬉しくて調子に乗ってしまったかもしれない。
「こら、それじゃあ樹にアプローチするレッスンにならないよ。今は話しかけるのはできるだろうし、次のレッスンは樹を誘うことだな。もう俺は釣りの企画はしないよ」
 先生に見放されたような気がして、動揺せずにはいられなかった。
「え? 待ってください。誘うって……無理ですよ。顔は認知されたかもしれませんが、変な女だって思われます」
「樹はそういうこと考えないよ」
 蓮先生が否定しても、素直に信じることができなかった。
 もし、蓮先生なら笑ってなんでも受け入れてくれるだろうけど、樹先生は違うような気がした。
「だとしても、樹先生とふたりきりじゃ間が持ちませんよ。先生は来てくれないんですよね?」
 蓮先生がいないと完全にふたりきりになるの無理だ。
「人のデートになんで俺がついて行くの? まずは仕事終わった後、院内のカフェに行ってみたら? 運がよければ樹がいるかもしれない。たまに休憩してるみたいだから。十分くらいなら持つでしょ?」
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