私が好きになったのはどっちなの?
 ちょっと呆れ顔で蓮先生に言われて、我に返る。
 私……男性が苦手だからって先生に甘えすぎてた。
「でも……どうやって誘うんですか?」
 挨拶以外で樹先生にどう話していいかもわからないのだ。
「樹先生、隣いいですか?とか。自信ないなら、俺相手に言ってみて」
 自信がない私に先生が練習させる。
「え? ……じゃあ、行きます」
 いきなりだったから、まず心の準備をしようとすると、先生に失笑された。
「まず気合い入れるんだ?」
 私だって一生懸命やろうとしてるのだ。茶々を入れないでほしい。
「もうからかわないでください。い、行きます。樹先生、と、隣いいですか?」
 テンパっているせいか、うまく口が回らなかった。
「そこ、つっかえてどうする? やり直し」
 先生に呆れられながら注意され、再度トライする。
「はい。すみません。……い、樹先生、隣いいですか?」
 なんでこんな簡単なことがスラスラ言えないのだろう。自分でもイライラする。
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