私が好きになったのはどっちなの?
 本格的に寝る前に聞いておこうと思ったが、「ん? 何号室?」と逆に聞いてきて会話にならない。
 こんなことなら前に釣りに言った時に、寮の部屋の番号聞いておけばよかった。
 ま、そう易々と教えてくれなかったかもしれないけど。
 やれやれ。
花梨ちゃんの肩を揺すって起こそうとしたら、ピカッと空が光ってゴロゴロと雷が鳴る。
それからすぐに土砂降りの雨が降り出した。
ゲリラ豪雨か。参ったな。
隣の駅まで移動するのは危険かもしれない。
タクシーの運転手に仕方なくうちの住所を伝えると、徒歩五分ほどの距離なので驚かれた。まあ、途中で歩けなくなるかもしれないから、タクシーで行く方がいいだろう。
 俺のマンションに着くと、あえて長財布からお札を抜いて「釣りはいいです」と言って花梨ちゃんと降りる。
「さあ、しっかり歩いてくれよ」
 ふらふらしている彼女の肩を抱いて俺の部屋に連れ帰り、寝室のベッドに連れていく。
「まだ寝ないでよ」
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