私が好きになったのはどっちなの?
「どうした?」
 気分でも悪いのかと思ったら違った。
「水……飲みたい」
 まだ寝ぼけているのか、目が合わない。
「ちょっと待って」
 急いでキッチンの冷蔵庫からペットボトルの水を持ってきて彼女に飲ませる。
「ほら、水だよ」
「……うん」
 ゴクッゴクッと彼女が喉を鳴らして水を飲む。
「もっと飲む?」
 花梨ちゃんの顔を覗き込みながら聞くと、彼女が小さく「ううん」と頭を振る。
「蓮しぇんしぇ……私のこと……覚えてる?」
「え? なに?」
 覚えてる?って……。
 聞き返しながら水をサイドテーブルに置くと、彼女が抱きついてきた。
「蓮しぇんせ……私……馬鹿かも」
 突然、泣き出したのでギョッとする。
「ちょっと……花梨ちゃん?」
「私……馬鹿」
 俺の首元に顔を埋めて泣く彼女の頭をポンポンと叩きながら宥めた。
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