私が好きになったのはどっちなの?
 反射的に声を出してしまった私を見て、彼が蕩けるような笑顔で言う。
「花梨のすべてを愛したいんだ」
 その言葉が私の心に浸透してくる。
 蓮は私のふくらはぎに触れ、私の骨折の手術痕にそっと触れてくる。
「俺たちはここから始まった」
 そう告げて骨折の手術痕にキスをする。
 いつも長めのスカートや黒いストッキングで手術跡を隠していたけど、今は堂々とみんなに見せたい気分だった。
 もし相手が他の男性だったら、顔を背けられたかもしれない。
 蓮だから私の全部を全部愛してくれる。
 私の身体中に触れると、彼がゆっくりと身体を重ねてきた。
「花梨」
 蓮が私の名前を呼びながら手を繋ぎ、キスをして私の唇を塞ぐ。
 破瓜の痛みも、彼と初めて繋がった感動でなんとか耐えられた。
「蓮……」
 本当の意味で彼の恋人となった嬉しさを実感しながら名前を呼ぶと、彼が私の髪を優しく梳いて抱きしめてくれた。
 その後の記憶がない。
 目が覚めると、彼が頬杖をついて私を見つめていた。
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