私が好きになったのはどっちなの?
「おはよう」
 目が合って彼が私が挨拶を返す前にチュッと口づけてくる。
 恋人となった蓮さんはさらに糖度が増していた。
 おまけに朝日の中で見る彼は半裸で、もう色気が溢れていて目のやり場に困る。
「……おはようございます」
 恥ずかしくて俯く私を彼がベッドから起き上がり急に抱き上げた。
「ちょっ……先生……きゃあ!」
「蓮だよ」
 優しく訂正しながら先生が私を抱き上げたまま歩き出す。
「あの、蓮さんどこへ?」
「ずっと寝かせてあげたいけど、飛行機の時間があるから、一緒にシャワー浴びよう。ギリギリまで待ったんだ」
「ええ〜!」
 バスルームに強制連行され、絶叫した。


「先生、あの……」
 先生とシャワーを浴びた後、ルームサービスの朝食を取りながら蓮さんに目を向ける。
「だから蓮だよ」
 またやんわりと言われて「あの、蓮さん」と言い直して話を切り出した。
「考えたんですけど、私も先生と一緒にドイツに行きます」
 五年かけて看護師になったけど、でも今の私は蓮さんなしでは生きていけない。
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