私が好きになったのはどっちなの?
 昨日蓮さんを事故で失いそうな恐怖を味わってはっきりとわかった。
 看護師になるのは私の夢だった。
 でも、始まりは蓮さんとの出会い。
 ドイツで日本の看護師資格は使えないだろう。そもそもドイツ語を話せないんだもの。
 でも、蓮さんがいれば、ドイツ語だって、ドイツで看護師資格を取ることだってできそうな気がした。
 看護師学校には子育てが終わった人だっていた。
「それでいいの? 後悔しない?」
蓮さんが心配そうに確認してきて、笑顔で返す。
「蓮さんがいないと、看護師やっててもきっと魂が抜けたようになってて仕事にならないと思うから」
だから後悔なんてしない。
「そうか。勝手かもしれないけど、俺もついてきてくれないかって言おうと思ってた」
「私、ドイツ語頑張ります。それで、ドイツに行っても看護師の勉強します」
「ドイツから戻ったら、花梨のご両親にご挨拶に行かないとな」
蓮さんの言葉に驚かずにはいられなかった。
「え? 結婚するわけじゃないのに?」
「花梨の人生をもらうんだから似たようなものだし。遅いか早いかの違いだと思うよ」
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