私が好きになったのはどっちなの?
 意識がなくても聞こえているかもしれない。
 男の子の鎖骨の下や胸の下に電極を貼り付け、ベッドサイドのモニタの電源を入れて波形をチェック。
 渡辺さんに目を向けると、彼女がコクッと頷いた。
 問題なかったようだ。
 男の子の衣服を元に戻していると、蓮先生がやって来た。
「森優希くんの様子はどうかな?」
「今、モニタのセットが完了したところです」
 渡辺さんがそう報告すると、蓮先生は男の子の様子やモニタを確認して私と渡辺さんに声をかける。
「いつ目が覚めるかわからないから注意して見てて。あと、ご両親も来るから入院の説明よろしく頼むよ。優希くん、また様子見にくるからね」
 ニコッと微笑んで、蓮先生は隣の病室に行く。
 子供の患者を担当するのは初めてだ。
 見た感じ大きな外傷はないし、早く意識が戻ってほしい。
 そんなことを思っていると、優希くんのご両親がやってきた。
「看護師の渡辺です。こちらの書類にサインをお願いします」
 渡辺さんがご両親に入院の手続きについて説明するのを横で聞いていたが、沈痛な面持ちのご両親を見ているのは辛かった。
 私も仕事に徹して家族対応できるようにならなきゃ。
 
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